電験3種を新卒時に取得する方法やメリットを解説! 未経験でも就職に有利?

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就職に有利となるように、大学や専門学校の在学中に資格を取得したいと考えている人は多いことでしょう。大学で電気工学関係の学部に在籍していたり、電気関係の専門学校に通っていたりする人の中には、「電験3種を取得したい」と考えている人も多いと思います。その一方で、「新卒で電験3種の資格を取得しても、あまり役に立たない」という意見もあり、悩んでいる人もいるでしょう。

そこで今回は、電験3種を在学中に取得するメリットや取得方法を解説します。

  1. 学生のうちに電験3種を取得することは可能?
  2. 電験3種の資格を活用して行える仕事や将来性
  3. 新卒で電験3種を取得しているメリット・デメリット
  4. 電験3種を取得する方法
  5. 電験3種に関するよくある質問

この記事を読めば、電験3種を取得するための勉強方法のコツなどもよく分かるでしょう。電験3種の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.学生のうちに電験3種を取得することは可能?

第3種電気主任技術者(以下、電験3種)は、電気技術者試験センターが主催する資格試験を受験し、合格すれば取得できます。受験資格が定められていません。ですから、年齢・性別・国籍問わずに受験できます。もちろん学生でも受験可能です。専門学校などの中には、電験3種の試験対策を授業で行っているところもあります。

2.電験3種の資格を活用して行える仕事や将来性

この項では、電験3種の資格を活用して行える仕事や将来性を解説します。

2-1.電験3種の資格を活用してできる仕事

電験3種は、電気事業法に基づいて事業用電気工作物の保安業務を行うことができる資格です。資格を活用すれば、オフィスビルや商業ビル、工場などの電気設備の保守点検ができます。

2-2.電験3種の将来性や給与

電験3種の資格を活用して行う仕事は、これからもなくなることはないでしょう。また、技術者の高齢化によって電験3種の有資格者がこれから不足していくことが予測されています。ですから、将来的に有資格者の需要が増していく可能性が高いのです。なお、電験3種の資格を活用して仕事をする場合、給与は300万~という職場が多いでしょう。新卒時の給与はずば抜けて高額とは言えませんが、経験を積んでいけば昇給もできます。

3.新卒で電験3種を取得しているメリット・デメリット

この項では、在学中に電験3種を取得しているメリットとデメリットを解説します。

3-1.在学中に電験3種を取得するメリット

電験3種は、電気関係の資格では難関です。合格率は10%前後で、合格に必要な知識を身につけるためには、長時間の勉強が必要になります。社会人になってから仕事をしながら取得しようとしても、なかなか難しいでしょう。在学中ならば、勉強に時間をかけることができます。また、授業で電験3種の試験対策をしてくれるならば、効率的に勉強することもできるでしょう。さらに、在学中に資格を取得すれば、「資格を取得したのに、未経験を理由に資格を活用できる仕事に就けない」というリスクも低くなります。

3-2.電験3種は就職に有利?

電験3種を取得すれば、就職の際に有利になることはあります。新卒ならば未経験が当たり前なので、電験3種の資格を活用した仕事のやり方も会社で詳しく教えてもらえるでしょう。しかし、電験3種を取得さえすればどんな職場でも就職できる、というわけではありません。新卒の就職活動の場合、取得している資格より人柄や、コミュニケーション能力を重要視する企業もあります。電験3種を取得したから就職は楽勝、と思わないようにしましょう。

3-3.可能ならば上位資格を狙ったほうがいい?

電気主任技術者の資格区分は、1~3種まであります。資格区分によって、以下のように保安業務ができる電気工作物の種類が決められているのです。

  • 電験1種:すべての電気工作物
  • 電験2種:電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
  • 電験3種:電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物。ただし、出力5千キロワット以上の発電所を除く

上位の資格区分ほど扱える電気工作物の種類が増え、仕事の幅も広がります。しかし、電験2種・1種は電験3種よりさらに取得が難しく、電気関係の勉強をしている学生でも合格は難しいでしょう。電験3種でも保安業務を行える施設はたくさんあります。無理に上位資格を目指す必要はありません。

3-4.学生時代に電験3種を取得するデメリット

前述したように、電験3種は難関資格です。工業高校の電気科を修了した程度の知識があれば合格できると言われていますが、電気工学を学んでいる学生でも、しっかり勉強しないと合格は難しいでしょう。そのため、受験勉強以外のことがおろそかになりがちです。特に、就職活動をする年はやることも多くなり、学業・試験勉強・就職活動の両立が難しくなります。ですから、在学中に資格取得を考えている場合、いつ勉強を始めて試験に挑戦するのか、計画を立ててから実行しましょう。

3-5.電験3種だけにこだわる必要はない

電気関係の資格には、電気工事士もあります。経済産業省の認定校の場合、卒業すれば第2種電気工事士の資格を得ることが可能です。電気工事士も、電気関係の仕事をするにはとても役立つ資格なので、「どうしても電験3種を取得しなければ」とこだわりすぎないようにしましょう。

4.電験3種を取得する方法

この項では、電験3種を取得する方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.試験の内容

電験3種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目の学科試験です。科目合格が認められており、6割以上の得点で科目合格となります。3年以内に4科目すべて科目合格できれば総合合格です。なお、試験は計算問題が中心で、合格するには電気に関する公式を自由自在に応用できる力が必要になります。

4-2.試験の申し込み方法など

電気主任技術者の試験は、毎年9月上旬に行われます。詳しい日程は電気技術者試験センターのサイトを確認しましょう。サイトからは、電子申請で試験の申し込みをすることができます。試験費用は、4,850円です。

5.電験3種に関するよくある質問

この項では、電験3種に関するよくある質問を紹介します。

Q.電験3種の資格を取得したら、単位が取れるような大学はありませんか?
A.探せばあるかもしれませんが、一般的に資格取得と大学の単位は無関係です。

Q.電験3種の資格を取得したら、就職活動できる会社が限られますか?
A.資格を活用した仕事がしたい場合、就職できる会社はどうしても限定されるでしょう。

Q.新卒で、いきなり電験3種の資格を活用して独立はできますか?
A.いいえ。未経験で独立することはできません。

Q.電験3種の資格を取得するなら、専門学校のほうがしっかりサポートしてくれそうです。
A.専門学校の電験3種対策コースなどは、夜間に開催されるものもあります。大学に通いながら専門学校へ試験対策に通ってもいいでしょう。

Q.電験2種・1種は大学で電気工学を学んでも取得が難しいですか?
A.はい。特に1種は大学院の学生でも合格するのはなかなか大変と言われています。合格を目指すなら、3種・2種・1種とステップを踏んでいくといいでしょう。

まとめ

今回は新卒時に電験3種を取得する方法や、そのメリット・デメリットを紹介しました。電験3種は難しい資格なので、在学時に取得しておけば「一生懸命勉強していた」と企業に印象付けることもできます。だからといって、資格取得に学生生活のすべてをかけることがよい、と言いきることもできません。就きたい仕事をよく考え、必要ならば取得を目指してみましょう。