電験3種の出題傾向は? 過去問を繰り返し解く重要性と注意点!

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第3種電気主任技術者(以下、電験3種)とは、工場やオフィスビル・大型商業施設などに設置されている事業用電気工作物の工事・維持及び運用に関する保安監督業務を行うことのできる資格です。有資格者を求めている職場も多く、たくさんの方が資格取得を目指して勉強に励んでいることでしょう。

今回は、電験3種の試験問題の出題傾向や、過去問の活用方法を紹介します。

  1. 電験3種とはどのような資格?
  2. 電験3種の試験内容
  3. 電験3種の出題傾向について
  4. 勉強方法のコツなど
  5. 電験3種に対するよくある質問

この記事を読めば、合格をつかみ取る勉強法のコツも分かることでしょう。電験3種の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.電験3種とはどのような資格?

電気主任技術者とは、前述したように高電圧の受電設備・配線設備・発電設備などの保安監督業務を行うことができる資格です。不特定多数の利用する施設に設置されている高電圧の電気設備を事業用電気工作物と言い、電気事業法で定期的な自主点検が義務づけられています。この自主点検は、電気主任技術者又はそれと同等の知識を持った方しか行うことはできません。

電験3種は、電圧が5万V未満の事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができます。このような電気工作物を設置してある施設は日本全国に数多くあるため、資格を取得すると転職や就職に大変有利です。事業用電気工作物を設置してある施設のほか、保安監督業務を請け負う会社や、ビルメン(ビルメンテナンス業)業界も有資格者を求めています。また、5年以上の実務経験を積めば、独立も可能です。

2.電験3種の試験内容

この項では、電験3種の試験内容や試験問題について解説します。

2-1.電験3種の試験内容とは?

電験3種の資格を取得するには、電気技術試験センターが主催する試験を受けて合格する方法が一般的です。受験資格は定められていませんので、年齢や学歴・職歴・性別・国籍を問わずに受験することができます。

試験内容は、電気・電力・機械・法規の4科目の択一式問題です。電気主任技術者の試験は科目別の合格が認められているため、2年間は科目合格を持ち越すことができます。ですから、3年間かけて資格を取得する方も珍しくありません。

2-2.合格率や試験の難易度について

電験3種の試験は、1科目につき6割以上得点できれば合格です。ただし、平均点が低い場合は6割未満の得点でも合格になる場合もあります。

資格試験は、身につけた知識を問われる試験が多いのですが、電気主任技術者の試験は計算問題が半数以上を占めており、数学の力がないと合格は難しいでしょう。また、単に数学ができればよいというわけでなく、電気関係の公式を覚えて応用する能力も必要です。そのため、全く電気に関する知識のない方が試験に挑戦する場合は、まず電気数学の勉強からはじめるとよいでしょう。

また、電験3種の試験は年々難しくなっている傾向にあり、2018年度の試験合格率は9.1%です。

3.電験3種の出題傾向

電験3種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目です。ほかの資格試験との大きな違いは、どの科目でも計算問題が出題されます。電気に関する法律の問題が出題される法規も、計算問題が出題されますので注意しましょう。電験3種の試験は、長いあいだ機械が最も難しいと言われてきました。「機械を制するものは電験を制する」という言葉があるくらいです。しかし、近年は法規が難しくなってきています。2018年度の試験では、機械の合格率が13.8%と全科目中2位なのに対し、法規の合格率は全科目中もっとも低い6.6%です。

2018年度の試験は、全科目比較的例年と似たような問題が出題されました。過去問をしっかりと解いていた人にとっては、比較的解きやすい問題ばかりが出題されたと思います。来年以降の試験を受ける方は、過去問をしっかり解いて、本番の試験で十分対応できるように研究をしておきましょう。

4.勉強方法のコツなど

この項では、電験3種の勉強方法のコツなどを紹介します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.過去問の活用方法

電験3種の試験勉強に過去問題集は欠かせません。特に、独学で勉強する場合は参考書を読んで過去問を解くというスタイルが、勉強の基本です。資格試験の中には過去問題とよく似た問題が出題されるものもありますが、電気主任技術者の場合は過去問題と同じような問題が出題されることは、ほぼありません。しかし、出題傾向と問題の難易度を測る教材としてはこれ以上のものはないので、ぜひ、最新のものを購入してくり返し解きましょう。

4-2.全く知識がない状態からの勉強方法

電気の勉強は、中学や高校の物理でやっただけという方が受験にチャレンジする場合は、まず電気数学を理解するところからはじめましょう。電験3種の参考書は、ある程度電気の知識がある方を対象に作られているため、知識が全くないと読んでも理解できません。電気数学の参考書は書店などで販売されていますし、マンガもあります。

4-3.試験の申し込み方法など

電気主任技術者の試験は、電気技術試験センターのホームページから申し込むことができます。2019年度の試験申し込みは5月下旬から6月上旬まで行われますので、試験を考えている方は、早めにホームページに目を通しておきましょう。

5.電験3種に対するよくある質問

Q.電験3種は、毎年1、2科目ずつ受けることはできますか?
A.はい。受験する科目のときは、室内にいなければなりませんが、途中退出することはできます。また、受験したくない科目がある場合は、その試験を欠席すればよいだけです。ペナルティはありません。

Q.電験3種の科目合格は、3年間で有効期限が切れるのでしょうか?
A.はい。ですから、3年間で4科目合格できるように頑張りましょう。

Q.電験3種の試験に電卓は持ちこめますか?
A.関数電卓以外でしたら大丈夫です。

Q.電験3種は、暗記問題は出ないのでしょうか?
A.法規の一部に出題されます。

Q.電験3種の試験は、全国で受験可能ですか?
A.問題ありません。

おわりに

今回は、電験3種の試験問題の出題傾向や過去問の活用方法について解説しました。電験3種は、毎年難しい科目と易しい科目が入れ替わるため、受験する科目を最初から絞ってしまうと、かえって合格しにくい傾向にあります。時間をかけてすべての科目を勉強しておき、1年目にはすべての科目を受験し、取れるだけ科目を取りましょう。その方が合格しやすくなるでしょう。なお、法規に関しては、法律が改正されて新しく定められた内容についての問題が出題されることがあります。そのため、参考書は可能な限り最新のものを使いましょう。3年以上前の参考書ですと、法律が古くなっていることがあります。SATの教材ならば、いつでも最新の情報に基づいて作られていますので、おすすめです。ぜひ活用して合格をつかみ取ってください。