電験3種の電力の勉強方法を解説! おすすめの教材や勉強方法は?
2018/05/30
2021/04/07
電験3種とは第3種電気主任技術者の略称で、事業用電気工作物の保安業務を行うための資格です。有資格者を求めている職場は多く、取得すれば就職・転職に大変役立つことでしょう。ですから、資格取得を目指してがんばっている人も多いと思います。電験3種の試験は4科目の学科試験ですが、毎回合格率が10%前後の難試験です。
今回はその中の1つ、電力の試験概要や勉強法を解説します。
この記事を読めば、電力の勉強を効率よく行うコツもよく分かるでしょう。電験3種の取得を目指している人は、ぜひ読んでみてください。
1.電験3種、電力の基礎知識
はじめに、電験3種の試験科目や電力の概要・出題傾向などを解説します。
1-1.電験3種の試験とはどのようなものか?
電験3種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目の学科試験です。電気工事士のような技能試験はありません。それぞれ、以下のような問題が出題されます。
- 理論:電気に関する基礎的な理論
- 電力:発電や送電に関する問題
- 機械:電力を使う機械全般に関する問題
- 法規:電気に関する法律
電力は、4科目の中で最もひねった問題が少なく、法規に次いで計算問題も少ない科目です。電験3種の試験は基本的に過去問と似たような問題は出ないのですが、電力だけは毎年同じようなところから出題されることが多く、過去問をくり返して解いておけば、高得点も狙えます。
1-2.電力で出題される問題とは?
電力で出題される問題は、発電関係と送電関係の問題が出題されます。暗記が必要な文章問題が6割、計算問題が4割です。計算問題は、公式を素直に当てはめれば解ける問題も多く、出題パターンも一定になっています。
1-3.電力の合格点・合格率
電験3種は科目合格が認められており、60点以上取得すれば科目合格ができます。3年以内に4科目すべて合格すれば、総合合格です。電力は4科目の中でも点を取りやすい科目ですが、それでも合格率は12%前後なので、しっかり勉強しないと合格することはできません。
2.電力の勉強方法
この項では、電力の勉強方法や合格に必要な知識を身に着けるコツなどを解説します。
2-1.電力の勉強をはじめる前に
前述したように、電力は4割が計算問題です。暗記が必要な問題を全問正解すれば、計算問題が0点でも合格できますが、それはとても難しいでしょう。電験3種に出てくる計算問題は、高校1~2年生レベルです。数学が苦手な人は、まずは電気数学の勉強から始めましょう。まずは一度過去問を解いてみて、計算能力を確かめてみてください。
2-2.勉強方法
前述したように、電力は比較的勉強しやすい分野です。自分に合った参考書を選び、徹底して読みこみましょう。4教科セットになった参考書よりも、1科目ずつの参考書のほうがおすすめです。知識が身についたら、過去問を解いてみてください。過去問がスラスラ解けるようになったら、本試験でも合格できるでしょう。過去問は市販されてもいますが、電気技術者試験センターのホームページでも一部掲載されているので、確認してみてください。
2-3.電力の試験勉強を進める際の注意点
電験3種の試験に挑戦する人の中には、仕事と試験勉強を両立させようとがんばっている人も多いことでしょう。「平日は時間がないから、休日にまとめて勉強をしよう」と計画を立てている人もいると思います。しかし、休日に何時間も勉強するより、1日30分でもいいので勉強したほうが知識が身につきやすいのです。毎日参考書1ページずつでも読み進め、過去問を1問でも解いていきましょう。
3.試験の申し込み方法
電気主任技術者の試験は、毎年9月上旬に行われます。詳しい日程等は、電気技術者試験センターのホームページを確認しましょう。試験は全国で行われます。試験の申し込みは、センターのホームページから電子申請が行え、試験費用は、4,850円です。なお、試験に受験資格は設けられていません。国籍・性別・年齢問わず受験可能です。毎年6月頃から申し込みがスタートするので、定期的にセンターのホームページをチェックしてください。
4.電験3種、電力に関するよくある質問
Q.電験3種の試験は、毎年1科目ずつの合格を目指せば大丈夫でしょうか?
A.3年で4科目なので、最初の年に2科目合格を目指すといいですね。しかし、最初から3年計画を立てるより、毎年すべての科目を平均的に勉強し、合格を目指してみましょう。
Q.電験3種は、予備校などで試験対策講座は開かれていますか?
A.東京や大阪などの都市部では、一部の予備校で試験対策を行っているでしょう。しかし、数が少ないので独学・通信教材の利用が一般的です。
Q.電気の勉強は物理で行ったくらいですが、合格に必要な知識を身につけることはできるでしょうか?
A.まず、電力の参考書を読んでみてください。計算問題が全く分からないという場合は電気数学の勉強から始めましょう。全く知識のない状態から勉強を始める場合は、試験1年前くらいから勉強する気概が必要です。
Q.試験に電卓などを持ちこむことはできますか?
A.はい。電験3種の試験は一般的な電卓を持ちこめます(関数電卓は不可)。
Q.計算問題を効率よく方法はあるでしょうか?
A.まずは公式を暗記しましょう。次に、公式の応用方法を覚えてください。そうすれば、問題を見たらどの公式をどんな風に当てはめていいか分かります。
まとめ
今回は電験3種の試験の、電力について解説しました。電験3種の合格率は、平均で10%前後の難関試験です。電力は合格しやすい科目といわれていますが、それでも勉強に苦労している人は多いでしょう。電力の勉強は過去問題をくり返し解いて、問題のパターンを把握して計算問題に慣れておくことが大切です。通勤時間や昼休みも最大限利用して勉強時間を確保しましょう。