電気工事士見習いの仕事内容は? 未経験・無資格でも可能?

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電気工事士は、実務経験がなくても見習いとして働くことができます。見習いで働くことは、電気工事士の実務経験を積むことができる絶好のチャンスです。しかし、「実際にどんな仕事内容になるのだろう」「電気工事士資格を未取得でも本当に問題ないのだろうか」と不安になりますよね。それに、実際に働き始める前に、仕事をうまくやるコツや待遇などについても知っておきたいことでしょう。

そこで今回は、電気工事士の見習いはどんな仕事内容となるのか詳しく解説します。

  1. 電気工事士の見習いとは?
  2. 電気工事士の見習いの仕事内容
  3. 電気工事士見習いから資格取得をするには?
  4. 電気工事士の見習いに関するよくある質問

この記事を読むことで、電気工事士の見習いの仕事内容や資格取得のコツがよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。


1.電気工事士の見習いとは?

最初に、電気工事士の見習いとはどんな仕事をする人のことなのかについて見ていきましょう。

1-1.電気工事者のサポートをする

電気工事士の見習いとは、電気工事士のサポートをする立場にあります。電気工事は、電気工事士の資格が必要です。しかし、電気工事にはさまざまな雑務が発生します。電気工事士の見習いは、電気工事士が効率よく仕事に取りかかることができるようにサポートをするのです。見習いとしてうまく立ち回ることができれば、電気工事士の仕事がスムーズに進みます。

1-2.電気工事士見習いの求人は豊富

電気工事士の見習いは、求人が豊富にあります。現在は人手不足であり、どの企業も優秀な人材の確保に手を焼いているからです。そのため、実務未経験でも積極的に採用しています。特に資格保持者は、引く手あまたです。ただし、条件のいい求人はすぐに応募者が殺到してしまうため、こまめに情報をチェックしてすぐに動けるようにしておきましょう。

1-3.実務経験を積むことができ資格取得も目指せる

電気工事士の見習いとして働くと、以下のようなメリットがあります。

  • さまざまな電気工事の現場を見ることができる
  • 先輩の仕事ぶりを実地で学ぶことができる
  • 電気工事に関連する全体の仕事が見えてくる
  • 勤め先で資格取得を奨励される

1-4.日給8,000円程度が目安

電気工事士の見習いは、日給8,000円程度、月給160,000円程度が目安です。ただし、地域差・企業差があります。都市部や大手企業になるほど、待遇はよくなるでしょう。また、見習いのうちは待遇がよくなくても、将来実務経験を積んだり電気工事士の資格を取得したりすれば、仕事の幅が広がって給与アップが望めます。

2.電気工事士の見習いの仕事内容

電気工事士の見習いはどんな仕事をするのか、できないことは何かを解説します。

2-1.先輩電気工事士のサポート業務が中心

電気工事士の見習いは、先輩電気工事士のサポート業務が中心です。たとえば、以下のようなものがあります。

  • エアコンの工事補佐(取り付け・取り外し・化粧カバーの取り付けだけ)
  • 家庭用照明の取り替え・取り付け
  • 工事の下準備・後片付け
  • 各関係機関や客先との連絡・調整
  • 事務作業
  • 工事車両の運転(自動車免許保持者に限る)

2-2.資格未取得者は電気工事ができない

電気工事士の見習いでも、資格未取得者は電気工事を行うことができません。たとえば、エアコンの工事補佐でも、コンセントの取り付けや配線工事は不可です。あくまでも、電気工事の周辺作業だけになるので注意しましょう。もちろん、資格取得者なら、実務未経験であっても先輩の電気工事士に教わりながら電気工事をすることができます。

3.電気工事士見習いから資格取得をするには?

電気工事士見習いから資格取得をする方法やコツを解説します。

3-1.第一種・第二種共に受験資格はない

電気工事士は、第一種・第二種共に受験資格がありません。性別・国籍・学歴・実務経験の有無に関係なく受験可能です。受験資格がないため、学生でチャレンジする人も多くいます。また、実務経験の有無や年数を問わないため、電気工事士の見習い中に受験することがおすすめです。

3-2.電気工事士の試験概要

電気工事士の試験概要を見ていきましょう。

3-2-1.第一種は年1回、第二種は年2回実施

電気工事士の試験は、第一種が年1回、第二種が年2回の実施となります。

  • 第一種:筆記試験10月・技能試験12月
  • 第二種:上期筆記試験6月・技能試験7月、下期筆記試験10月・技能試験12月

なお、試験日程に関するより詳しい内容は、一般財団法人電気技術者試験センターの試験日程案内ページを参考にしてください。また、受験案内・申込書は、受験申請受付開始の約1週間前から配布されるので忘れずに請求しましょう。

3-2-2.受験費用はインターネット申し込みがお得

電気工事士の受験費用は、以下のとおりです。インターネット申し込みのほうが、第一種で400円、第二種で300円安くなります。

  • 第一種:インターネット10,900円・郵送11,300円
  • 第二種:インターネット9,300円・郵送9,600円

3-3.第一種・第二種共に学科試験と技能試験がある

電気工事士は、第一種・第二種共に学科試験・技能試験の両方に合格する必要があります。それぞれの内容について見ていきましょう。

3-3-1.学科試験

電気工事士の学科試験は、第一種・第二種共に一般問題30問・配線図問題20問の合計50問が出題されます。それぞれの試験範囲については、以下をご覧ください。

第一種

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論および配線設計
  • 電気応用
  • 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料および工具ならびに受電設備
  • 電気工事の施工方法
  • 自家用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 発電施設・送電施設・変電施設の基礎的な構造および特性
  • 一般用電気工作物および自家用電気工作物の保安に関する法令

第二種

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論および配線設計
  • 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 一般用電気工作物の保安に関する法令

3-3-2.実技試験

電気工事士の実技試験は、筆記試験合格者および免除者に対して実施されます。電動工具以外の作業用工具を使用し、配線図で与えられた問題を時間内で完成させる形式です。それぞれの試験範囲については以下をご覧ください。

第一種

  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器・蓄電池および配線器具の設置
  • 電気機器・蓄電池・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具の使用方法
  • コードおよびキャブタイヤケーブルの取付け
  • 接地工事
  • 電流・電圧・電力および電気抵抗の測定
  • 自家用電気工作物の検査
  • 自家用電気工作物の操作および故障箇所の修理

第二種

  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器および配線器具の設置
  • 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具の使用方法
  • コードおよびキャブタイヤケーブルの取付け
  • 接地工事
  • 電流・電圧・電力および電気抵抗の測定
  • 一般用電気工作物の検査
  • 一般用電気工作物の故障箇所の修理

3-4.平成30年度は第一種25.5%・第二種36.7%が合格

平成30年度の電気工事士の合格率は、以下のとおりです。

  • 第一種:25.5%
  • 第二種:36.7%

合格基準は、60%以上の得点率となります。満点を取る必要がない試験ですが、第一種が3割以下、第二種が4割以下の合格率と考えれば、難易度は中程度以上と言えるでしょう。

4.電気工事士の見習いに関するよくある質問

最後に、電気工事士の見習いに関する質問に回答します。それぞれ確認してください。

Q.電気工事士で第一種と第二種では何が違う?
A.取り扱い可能な電気工事の区分が違います。見習いとしてつく電気工事士でも、第一種保持者と第二種保持者では、以下のように仕事の幅が異なるのです。

  • 第一種:500kW未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物
  • 第二種:一般用電気工作物

Q.見習いとして働きながら第一種の取得も目指せる?
A.はい。働きながら第二種・第一種を取得することは可能です。なお、免状の取得については、第二種は実務経験を問われませんが、第一種は5年以上の実務経験が必要などの条件があります。第二種の免状を取得後に、見習いでも所定の実務経験を積むことで第一種合格後に免状の申請が可能です。

Q.見習いの仕事がキツすぎて試験勉強がうまく進まないのですが?
A.見習いの仕事は肉体労働を伴うこともあるため、キツく感じる人も多いでしょう。休日には、しっかり休んで体力回復に努めましょう。なお、キツすぎて試験勉強がまったくできないほど長時間・激務労働なら、転職を検討してください。

Q.第二種電気工事士の未取得者と取得者の給与の差は?
A.月に約2万円の差がつきます。資格取得者は、一般用電気工作物の電気工事ができる分、任せられる仕事が増え、責任も大きくなるからです。

Q40代以降でも電気工事士の見習いとして働ける?
A.はい。ただし、20代・30代と比較すると求人数が少なくなるのが現実です。まずは、年齢不問の求人を探して応募しましょう。また、若い人より資格の有無を問われることが多いため、就職活動と並行して取得を目指すことをおすすめします。

まとめ

今回は、電気工事士の見習いについて詳しく解説しました。電気工事士の見習いは、先輩電気工事士の補佐として、さまざまなサポート業務をこなすことになります。実際の現場を経験できることが大きなメリットです。資格未取得者でも求人はありますが、資格取得者のほうが数が多く好待遇となります。電気工事士には受験資格がないので、実務未経験でも取得が可能です。電気工事士の見習いとして働きながら取得することもできますから、ぜひチャレンジしてみてください。