【徹底解説】登録電気工事基幹技能者とはどんな資格? どうすれば取得できるの?
2017/04/24
2020/07/03
登録電気工事基幹技能者とは、民間資格である登録基幹技能者の一つです。高い技術力と豊富な経験の他、マネジメント能力が優れている証明にもなり、取得者は管理施工技士の補佐を任されることが多いでしょう。また、職長などの責任ある立場を任されることもあり、取得すれば昇給や出世の道も開けます。
そこで、今回は登録電気工事基幹技能者になるための方法や条件について解説しましょう。
この記事を読めば、登録電気工事基幹技能者を取得するメリットも分かりますよ。第一種電気工事士の資格を取得している方や登録電気工事基幹技能者に興味がある方も、ぜひ読んでみてくださいね。
1.登録電気工事基幹技能者の基礎知識
はじめに、登録電気工事基幹技能者の職務や取得をするメリットなどを紹介します。どのような資格なのでしょうか?
1-1.登録電気工事基幹技能者とは?
前述したように、登録電気工事基幹技能者とは、職長クラスの責任者が務まるだけの技術と経験・マネジメント能力があると証明できる登録基幹技能者の一つです。
建設工事をはじめとする工事現場では、多数の技術者が集まって仕事をします。工事現場の施工管理や安全管理・技術的な監督を行うことができるのが、施工管理技士という資格です。登録基幹技能者は施工管理技士の補佐として、工事の計画や管理業務に参加することがのぞまれています。
登録基幹技能者は平成8年に民間資格としてスタートしました。この時は資格試験などが実施されていましたが、平成20年に「建設業法施行規則」が改正された際、登録基幹技能者制度となります。現在は、国土交通大臣が登録した機関で実習を受講し、修了試験を受けることで取得が可能です。また、登録基幹技能者のサイトでデータベース化され、技能者の氏名検索などもできるようになりました。
1-2.登録電気工事基幹技能者の資格を取得するメリット
電気工事を行うには、電気工事士の資格を取得する必要があります。小規模な工事現場ならば、電気工事士が1,2人で事足りますが、大規模な現場ほど必要な工事士の人数は増加するでしょう。
多人数の工事をまとめ、指示を出す役割を担うのが、電気工事施工管理技士です。電気工事現場にはこの資格の保持者が、現場監督(主任技術者・監理技術者)として選任されます。しかし、工事が大規模になるほど、施工管理技士だけでは手が回らなくなることでしょう。そこで、登録電気工事基幹技能者が、職長として補佐に当たります。
つまり、登録電気工事基幹技能者になれば、大きな工事現場で責任ある立場に立つことが可能です。昇給や出世の道も開けるでしょう。また、電気施工管理技士の受験資格である実務経験を積むこともできます。電気工事士を一生の仕事とするならば、取得しておいて損はありません。
2.登録電気工事基幹技能者の資格を取得する方法
登録電気工事基幹技能者の資格は、前述のように、国土交通大臣が登録した機関で実習を受け、修了試験に合格すれば取得可能です。講習は2日間にわたって行われ、日本電設工業協会が主催しています。例年は10~11月にかけて講習が実施されています。申し込みは8月初旬に行われる予定です。2019年度の詳細は7月中に協会のホームページで発表される予定なので、受講を希望する方は確認しておきましょう。
講習は誰でも受講できるわけでなく、以下のような条件を満たしていることが必要です。
- 電気工事の仕事を該当する建設業の種類で10年以上行っていること
- 第一種電気工事士の資格を取得していること
- 労働安全衛生法第60条に基づいた建設業としての職長教育を受け、3年以上職長経験がある者
建設業の種類については、協会のホームページに記載していますので確認してください。つまり、全く何も資格がない状態から登録電気工事基幹技能者になるには、第二種電気工事士を取得した後で実務経験を積み、第一種電気工事士の資格を取得し、職長教育を受けなければなりません。大学卒業後すぐに電気工事士として働きはじめた場合は、35歳前後で講習を受講する条件が整うでしょう。
講習終了後の試験はほぼ合格率が100%です。真面目に講習を受講していれば不合格になることはありません。
なお、登録電気工事基幹技能者の資格は、5年ごとに更新が必要です。講習を修了してから4年目から更新の手続きを行うことができます。更新は申請書を提出した後、送られてきた更新レポートを完成させて提出すれば完了です。ただし、審査がありますのでいい加減なレポートを書かないようにしましょう。更新期限を6か月以上過ぎてしまうと資格が失効し、もう一度講習を受けなければなりません。更新を忘れないようにしましょう。
3.登録電気工事基幹技能者に求められるスキル
登録電気工事基幹技能者は高い技術と豊富な経験の他、コミュニケーション能力が大切です。前述したように、登録電気工事基幹技能者は電気工事士を束ね、仕事の指示を出したり意見をまとめたりする職務を行います。現場監督は電気工事施工管理技士ですが、登録電気工事基幹技能者の責任も重い現場は多いことでしょう。
資格を取得しようと思っている方は、技術もさることながらコミュニケーション能力を磨きましょう。職長として3年以上務めることができれば十分だとは思いますが、不安ならばビジネススキル本などを読んでみるのもおすすめです。
4.登録電気工事基幹技能者に対するよくある質問
Q.講習を受講するのに年齢制限はありますか?
A.ありません。条件を満たしていれば何歳でも受講可能です。
Q.現在は電気工事士として働いていませんが、受講資格を満たせば講習を受講できますか?
A.勤めていた職場が、電気工事士や職長として働いていたという証明を行ってくれるのなら、受講可能です。
Q.登録電気工事基幹技能者の資格を取得せず、電気工事施工管理技士になることはできますか?
A.可能です。受験資格がありますのでホームページで確認してください。
Q.登録電気工事基幹技能者になれば、就職に有利でしょうか?
A.技術や経験・マネジメント能力などを証明する資格でもありますので、大いに有利です。
Q.登録電気工事基幹技能者は、女性でも需要がありますか?
A.はい。男性が入りにくい場所の工事をする場合は、特に需要が高いでしょう。
おわりに
今回は、登録電気工事基幹技能者についていろいろと解説しました。電気工事士としてある程度実務経験を積めば、取得が可能な資格です。チャンスがあったらぜひ取得しておきましょう。電気工事施工管理技士へのステップアップにもなります。