電験3種に合格するには過去問が重要? 効率良く合格するためのポイント
2016/03/31
2021/04/07
電験3種は、電気に関わる資格の中でも人気が高い資格です。電験に限らず、資格の勉強をするときに大切なのが過去問です。資格の中には、過去問の焼き直しが毎年出題されるので、過去問を暗記していれば合格できるというものもあります。では、電験3種はどうでしょうか?
今回は、電験3種の過去問の勉強方法についてご紹介します。過去問をどのように利用すればより効果的に勉強ができるのでしょうか?
1.電験3種とはどんな資格
電験3種は、正式には第3種電気主任技術者といいます。この資格を取得すると高圧受電設備の保守や点検・管理などが行えるのです。高圧受電設備は商業施設や学校・工場など多くの方は長時間活動する施設には大抵備わっています。
また、高圧受電設備は定期的に点検や整備が義務付けられていますので、資格取得者の需要は高いのです。電験には1種・2種・3種の三種類があります。電験の試験は全て受験資格が定められておらず、誰でも受験できます。資格を取得して就職や転職に役立てたいという方や、電気工事士の資格取得者で仕事の幅を広げたいという方に人気です。
電験3種の試験は理論・電力・機械・法規の4科目からなり、すべての科目を3年以内に合格できれば、資格が取得できます。
1-1.電験3種の試験について
1-1-1.試験概要
電験3種の資格試験は、試験科目は、法規・理論・電気・機械の4科目の学科試験です。科目合格が認められており、1科目6割以上の点数を取得すればその科目は合格となります。3年以内にすべての科目を合格すれば資格取得です。電気工事士のように実技試験はありません。
1-1-2.試験の申し込み方法など
電験3種の試験は、毎年1回、9月に行われますので、詳しい日程等は電気技術者試験センターのホームページを確認してください。試験の申し込みは、センターのホームページから電子申請を行うと便利です。受験料は4,850円ですので、クレジットカードや銀行振り込みで払いましょう。
2.資格試験で過去問が重要視される理由は?
電験3種だけでなく、資格試験は過去問題の勉強が大切といわれています。試験には、必ず範囲がありその中から問題が出題されるのです。いくら範囲が広くても、問題になりそうな箇所は限られています。ですから、過去問を勉強すればどのような問題が出題されやすいのか分かるでしょう。
また、問題にできるものが限られている試験では、過去問の数値を変えただけ、という問題が出ることも珍しくありません。そのため、試験の中には過去問を暗記しておけば突破できるというものもあるのです。勉強のときに、過去問を時間内に解き終えることができていなければ、本番でも時間が足りなくなってしまいます。なので、資格の勉強をする際は、過去問を解くことが大切なのです。
3.電験3種と過去問について
では、電験3種は過去問さえ繰り返して解いていれば、合格できるのでしょうか? 結論から申し上げると、合格できません。電験3種の試験範囲は大変広く、問題にできる箇所がたくさんあります。
また、電験の試験は数学や物理の試験に近く、公式さえ使えばいくらでも問題が作れるのです。学生のころに受けた数学や物理のテストを思い出してみてください。「足し算・引き算」のような簡単な範囲でもたくさん問題が出されていませんでしたか?
電験の試験もこれと同じです。過去問とまったく同じ問題が出ることはまずありません。同じ公式を利用して解く問題はありますが、必ずひねりを加えてくるのです。ですから、公式の使い方をマスターしなければ、問題だけを暗記しても意味がありません。
4.電験3種の過去問の利用方法
では、電験3種で過去問を勉強するのは時間のムダでしかないのでしょうか? いいえ、それは違います。この項では、電験3種の過去問の利用方法をご紹介しましょう。
ぜひ勉強の参考にしてください。
4-1.理解力を確かめるために使う
電験3種の勉強は、公式の使い方を理解して実際の問題で使えるかどうか確認する、その繰り返しになります。今の参考書はとても分かりやすいので、一読すれば理解したような気分になれるかもしれません。そこで、過去問の中で理解したつもりになっている公式を使った問題を解いてみましょう。問題なく解けたならば、理解できているということです。できれば、複数の問題を解いてみてどんな出題のされ方をしても解けるようにしておきましょう。
4-2.解説を読む
問題の中には、かなりひねったものもあります。初めて解くときには、公式をどのように使えば答えが導き出せるか分からないものも少なくありません。その場合は、解説を読みましょう。どの公式を使い、どのような解き方をすれば答えが導き出せるか理解をすれば、同じような問題が出ても大丈夫です。解説を読んでも理解できないという場合は、知識不足でしょう。もう一度参考書の該当箇所を勉強し直してください。解説を読んですっと理解できるようになれば、理解力が深まっている証拠です。
4-3.自分の実力を知るために使う
過去問と全く同じ問題が出ることはありませんが、同じ公式や考え方で解く問題は出ます。数年分の過去問を解いてみて、6割以上取得できるならば、問題ありません。
どんな問題が出されても回答できるでしょう。6割以下しか取れないのならば、苦手な分野を勉強し直してください。
また、過去問を時間以内に解くことができるようにしておかないと、実際の試験では時間が足りなくなります。さらに、参考書を読んでも過去問の解説を読んでも意味が分からないという場合は、数学や物理の理解力が足りない可能性があるのです。その場合は、電気数学を勉強しましょう。電験3種のレベルは工業高校の電気科修了レベルといわれています。ですから、普通科高校の物理で電気をかじったくらいという方が挑戦するには、少々ハードルが高いでしょう。
そのため、全く無資格の状態から合格するためには、試験科目前に電気数学を理解しておく必要があるのです。
5.過去問を使った有効な勉強方法
電験3種は、過去問と同じ問題が試験に出題されることはありません。しかし、過去問を5年分ほど解けば、出題傾向はつかめます。出題が頻繁な分野なども分かるでしょう。また、時間配分などもつかめます。自分の実力も把握することができますので、必ず過去問は繰り返し解いておきましょう。
おわりに
今回は電験3種の過去問の利用法についてご紹介しました。資格試験には、暗記中心のものと計算中心のものがあります。理系の資格の中にも暗記中心のものがありますが、電験3種の試験は計算力や数学のセンスが必須です。しかし、「ひねった問題」といっても、大学入試のように高度なテクニックを駆使しないと解けないという問題は出題されません。
電流と電圧と抵抗のうち、去年は電流を求める問題だったものが今年は抵抗の値を求めるといった出題の仕方をされます。大切なのは公式を覚えて、それを自由自在に使えるようになることです。そうなるためには、過去問を繰り返し解くことが大切です。問題を丸暗記するのではなく、応用力を鍛えるために過去問を利用しましょう。そうすれば、どんな問題が出題されても慌てることもありません。